国民健康保険と会社の健康保険

前回、ブログを書けたことがともかくウレシクて、内容もよく確認しないままにアップしたところ、一番の読者である家内からお叱りを受けた。

 

「個人の意見や、書き方のことは何も言わないけど、法律的なことや、社会的なルールを間違ったままにブログに書くのは読んだ人のためによくないよ。もちろん、あなたのためにもね」

 

「えっ? 何か間違ったこと書いた? 」

 

「あなたは年金問題と健康保険のことを混同しているわ」

 

「ええっ? それはどういうこと?」

 

という問答に始まり、2時間に渡って詳しく説明を受けたところ、還暦にもなって、そんな基本的なことすらよくわかっていなかったということがよくわかった。ならば、早速書き直してやろうじゃないかと思ったものの、やり取りに疲れ果て、翌日にはきっちり書こう! と思い直しながら床についた。

 

翌朝、家内のこんな言葉で目が覚めた。

 

「余計なおせっかいだと思ったけど、私なりにあなたの書いた文章を書き直したから、読んでみてね。もちろん、必要なところだけ自分なりにアレンジして構わないからね」

 

なんと、優しいお言葉だろう。家内のことはこれからかみさん(神さん)と呼ぶことにしよう。かみさん、ありがとう。

 

以下、かみさんが直してくれた文章。

 

わが輩は還暦である。名前はあるが、仕事はない。 1月末で1年2カ月働いた職場を辞した。 59歳で久しぶりの正社員の職を得て、1時間弱の電車通勤も読書タイムを満喫した。 が、しかし、体か頭が動かなくなるまで働くつもりだった職場にはついに馴染むことが叶わず、再就職めざして東奔西走する日々を選んだというわけである。妻よ、苦労かけるな、すまぬ。

 

以前、勤めていた職場を退職し、これはと思った企業の求人に応募したものの、20通弱の「このたびは、貴意に添えず、まことに申し訳ありません」で始まる書き出しの不採用通知を受け取った若き日のことが甦ってきた。40歳だった当時ですら再就職は難しい年齢だといわれていたことを鑑みると、このたびは、さらに難しいことは目に見えている。それでも、年金を受け取れるまでは5年弱を働いて過ごさなくてはならない。そして5年後も年金だけで生活することが困難であることは明白である。

 

本日、退職にあたり、厚生年金から国民年金、職場の健康保険から国民健康保険の手続きに妻と市役所へ行ってきた。 まずは年金から。話を聞いているうちに、あなたはすでに還暦を迎えているので、もう年金は払わなくもいいと言われ、びっくりした。

 

「そうなんだ。やっぱり本当に還暦になったら年金を払わなくもいいんだ」

 

と改めて納得した。 厚生年金の場合は、70歳まで払うことができるが、国民年金は60歳までとのこと。還暦を過ぎても厚生年金を払い続けていたので、年金は払うものとばかりに思っていたが、「そういうことだったんだ、なるほどね」と自分自身に問いかけながら、親切にいろいろと教えてくれる係員の話に耳を傾ける。

 

もう払わなくても良いなら、良かった…と思っていたら、空かさず妻が、 「この人、年金払ってない時期があるんです。遡って払う事はできますか?」と聞いた。 480月(20歳~60歳で計算)に満たない場合は、5年間は遡って払うことができますが、5年分約100万円を支払ったとして、果たしてもらえる年金がどのくらい増えるかを計算してみられたらどうですか?と。

 

早速に年金事務所に連絡を取って、これまでの支払額を問い合わせてくれた。 その返答を受け、次々に新たな提案してくれる。 結果、年金事務所に電話を入れ、3日後のアポが取れた。ここでさらに詳しく話をきいてみて、これまで免除になっていた年金をいつまで払うべきかを相談することにした。

 

くだんの係員曰く「国の法律もコロコロ変わることですし、いつ亡くなるかも関係しますね。長生きすればするだけたくさんいただけるのですが、いつまで生きるか、先のことは誰にもわかりませんからね…」

 

20歳から58歳の今日まできっちり年金を払ってきていると誇らしげな妻は、失業者の扶養家族として年金免除申請と、クレジットカード払いの用紙をもらっていた。

 

「年金もカード払いができるようになったから、マイレージがたまるのよ!」

 

普段はぼーっとしているが、こういう事はしっかりしている頼もしい妻である。 「健康保険の方は、 職場を辞めても2年間は、そのまま職場の健康保険を使える制度があって、人によっては、国民健康保険に移行せずにそのまま職場の健康保険払を選択する方もいらっしゃいます。ただ、これまでは会社が半額を負担してくれたわけですから、払う額は倍になりますね」

 

そうか。倍の額を払っても国民健康保険よりも職場の健康保険の方が安いのであれば、その方が良いな。会社に問い合わせてみると同時に今後の国民健康保険の支払い額を調べてもらった。 国民健康保険の方の2月と3月分は、月々3,150円で3月中旬に2ヶ月まとめて支払うことになるそうだ。

 

会社の健康保険は28,150円 月々支払わなければならない。 すぐに国民健康保険に切り替え手続きをした。 4月からは一年間の年収から計算した保険料が請求されるらしい。 現在無職で収入がなくても、容赦なく前年度の収入があれば、支払わなければならないそうだ。 窓口で相談したら、分割払いも応じてくれるそうだ。ただしその時は利息を取られるのである。 どこまで取り立てるつもりなのか…

 

還暦リボーンの旅は、始まったばかりだ。